「IP電話の050 plusもご利用しませんか?」などと、携帯電話を契約するときに聞かれたことありませんか?IP電話って聞いたことあるけど、よくわからないという人も多いかと思います。今回は、音声通話(普段使う電話)とIP電話の違いや特徴について解説します。
[toc heading_levels=”2,3″]IP電話とは?
IP電話(あいぴーでんわ)とは、インターネットを利用して通話する電話サービスのことです。正式には、インターネットプロトコル(Internet Protocol)電話と呼びます。
IP電話同士の通話はもちろん、IP電話から携帯電話や固定電話にもかけることができます。主なIP電話サービスには、『LINE』や『Skype』、『050 plus』などがあります。
※ひかり電話もIP電話と同じ仕組みを使った電話サービスですが、この記事では、一般的にIP電話と呼ばれる上記IP電話サービスについて解説しています。
音声通話とIP電話の違い
普段使わている携帯電話の音声通話と、IP電話の違いを簡単に説明します。
音声通話の特徴
音声通話は、大手キャリア(ドコモやau、ソフトバンク)が提供している『070 / 080 / 090』から始まる番号を利用した電話サービスのことです。携帯電話やスマホで普段から利用されているものが音声通話になります。
音声通話は、音声通話用の回線の一部を電話する一組のペアで占有して通話します。そのため、インターネット回線のようにデータが混雑することがなく音声品質が保証されています。逆に回線の一部を占有してしまうということは、同時に通話できる数には限りがあり、大勢の人が集まる会場や災害発生時などで通話できないという特徴もあります。
音声通話にかかる通話料金は、20円/30秒です。プランを変更したり、オプションをつけることで、一定の通話が無料になったり、半額になる場合があります。
IP電話の特徴
IP電話は、プロバイダなどが提供するインターネットを利用した電話サービスのことです。『050』から始まる電話番号を取得して利用することもできます。
IP電話は、音声をデジタルデータに変換し、データを分割してインターネットを利用して相手に音声データを届けます。届いた音声データが相手側で復元され、音声が聞こえるという仕組みで通話することができます。そのため、インターネット回線が安定しているときは問題ありませんが、回線が混雑すると音質が悪くなったりタイムラグが発生することがあります。
IP電話の通話料金は、同じサービス同士であれば無料であることがほとんどです。プロバイダや電話をかける相手によって料金は異なりますが、3円/分~21円/分と音声通話と比べてかなり安く利用できます。
音声通話とIP電話の比較表
音声通話とIP電話の違いをまとめると次のようになります。
項目 | 音声通話 | IP電話 |
---|---|---|
提供元 | ドコモ、au、ソフトバンクなど | LINE、Skypeなど |
電話番号 | 070 / 080 / 090から始まる※ | 050から始まる 電話番号が無い場合もある |
回線 | 音声通話用の回線を占有して利用 | インターネット回線を利用 |
音声品質 | 高い | 不安定 |
基本料金 | 700円 | 無料~数百円 |
通話料金 | 20円/30秒 | 無料~21円/分 |
解約料金 | 条件を満たさない場合は発生する | 発生しない |
フリーダイヤル | 使える場合がほとんど | 使えない |
※ごく一部ですが、NifMoでんわはIP電話でもあるにもかかわらず、080 / 090が利用されるなど、例外もあります。
IP電話のメリット・デメリット
IP電話のメリットとデメリットをまとめると次のようになります。
【メリット】
- 料金が安い(海外にかける場合も安い)
- 解約金などが発生しない
【デメリット】
- 音声品質が低い
- 電話番号が持てない場合がある
主なIP電話サービス
それでは、具体的に主なIP電話サービスについてご紹介します。
LINE
日本の多くの方が利用しているLINEアプリでもIP電話が利用できます。LINEには、「無料通話」と「LINE OUT」の2種類の電話機能が搭載されています。
無料通話は、LINEユーザー同士であれば無料で電話することができます。電話したい相手がLINEを利用していない場合は、無料通話機能で電話することはできません。当然、インターネット回線を利用しているため、電波やインターネットの利用状況により、音声品質が左右されます。
LINE OUTは、以前LINE電話と呼ばれていた機能です。電話したい相手が固定電話や携帯電話であっても利用できるため、一般的な電話に近い感覚で利用できます。利用料金は、前払い方式で、コールクレジットと30日プランがあります。プランによって料金は異なりますが、固定電話に対しては3円/分、携帯電話に対しては14円/分です。また、短い広告を見ることで無料通話ができる LINE OUT Freeというのもあります。
050 plus
NTTコミュニケーションズが提供する「050 plus」という電話アプリです。「050 plus」アプリをダウンロードし、申込み手続を行うことでIP電話が利用できるようになります。
基本料金は300円(税抜)かかりますが、050 plus同士の通話は無料です。更に、通話先プロバイダの050IP電話サービスとの通話(OCNドットフォンなど)も無料になります。固定電話に対しては約8円/3分、携帯電話に対しては約17円/分で利用できます。
また、専用の050IP電話番号を取得することができ、留守番電話(メッセージお預かり)サービスなどもあります。
Skype
Skypeは、メッセージや無料通話ができるアプリとして主にパソコンで利用されていました。今では、AndroidやiPhoneなどのスマホでも利用できます。
Skype同士の通話は無料です。料金はプランによって異なり、350円~利用できます。月額払と前払方式があり、月額払では約5~7円/分で電話できます。12カ月払もできるため、12カ月払にすると安くなります。
050 plus同様に、Skype番号と呼ばれる050の番号を取得することもできます。電話機能ではありませんが、Skypeにはファイル共有やビデオ通話、チャット機能などもあります。
まとめ
- 音声通話は、回線を占有して通信するため音声品質が高い。
- IP電話は、様々なデータが混在するインターネット回線を利用しているため、音声品質が低くなることがある。
- 通話料金は、音声通話は高い。IP電話は安い。
- IP電話には、LINEやSkype、050 plusなどがある。
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